1年、また1年

命の儚さ。それを、何度考えたことか。

 

3月11日は、その日を迎えるごとに、当時の記憶を弄って、どうだった、こうだったと思い返す日になっている。過去を振り返る日は、年に数回ある。自分の中で、特別な日だ。そして、その日にちは年々に増えていくものだと実感しつつある。ただ、この日は特に、一生を持って振り返り続ける日なのだろうとも感じている。

自分ごととして捉えることは、大事なんだなとも思っている。それが、人間が生きる上での、「経験」なんだと少しづつ理解し始めてきた。でも、人生100年時代と言われるものの、その1世紀内で体験できることは本当に少ない。意識して体験できる事柄は少ないのだろうが、意識しなければもっと少なくなる。後者の自分は、体験できない他人の人生を、人より多く疑似体験しなければならないのだ。

そうしなければ、人生の失敗を、回避できる失敗も追体験してしまう、後から振り返っても、もったいない体験に時間を取られてしまうと。

だからこそ、教育は必要だと思う。きちんと事実を、数字を、人の意見を把握して噛み砕き、過去の経験を未来に生かしていくことが必要だと思うのだ。

 

過去の教訓は、学んでいかなければならない。それは、現代を生きる私自身の義務だと思っている。そして、後世に伝えて、引き継いでいかなければならないと。

1年、また1年と年を経るごとに、消えてしまうものもあるだろう。それでも、将来のために、何をすべきか、この日になると、しっかり心の中に刻み込みたいと思う。